小4の国語の授業で、芥川龍之介の「トロッコ」の読解に取り組みました。
設問になっているのは物語の一部だったのですが、昔話のような雰囲気と主人公良平の心理状況と情景の色味が重なるところが面白かったようで、「続き読んで!」とせがまれました。
青空文庫に収録されていて無料で読めますから、少し補足説明を入れながら、最後まで読みました。
「面白い!」「自分も風を感じた」「息苦しかった」「我慢していた涙があふれてくる感じ、わかる!」とそれぞれ語感を使って味わえたようです。
トロッコに乗れて、うれしくて仕方がない時には、みかん畑。
オレンジの〇とつややかな緑がたくさん目線より上にある感じ。
そこからしばらくすると、竹林になり、遠く来過ぎたことに不安になるときには、線路にかぶさる落ち葉を見ます。視線の高さと色味の変化、ここを解説すると生徒達も感心していました。
この次の問題は下村胡人「次郎物語」の一説。
こちらも現代っ子にはなかなかなじみのない風景や設定です。「生みの親」と「育ての親」が別。大好きな育ての親のところから、生みの親の方へ帰されるシーン。
ここも生徒達は大変興味を持って読み込み味わいました。
「タイムスリップしたみたい。今、頭の中だけ時代がちがうところにいた、今、戻ってきたー。」という生徒さんもいました。
少し古い言葉遣いで書かれた物語。
全く違う人生を疑似体験して楽しめる。
読書の醍醐味ですね。
画像は、勤務途中で見かけた紫陽花です。
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